ラーメンのスープに合う麺について

ラーメンにはさまざまなジャンルがあります。例えば中華そば、とんこつラーメン、味噌ラーメン、つけ麺、横浜家系、二郎系、油そば等。それぞれのスープに特徴があるので麺が負けてしまわないように、麺がスープよりも強くなりすぎないように…とバランスをとることが重要なのはどのスープにも言えることだと思います。

ラーメンのスープにはやはり、相性が良い麺とあまり相性が良くない麺という傾向があります。
こってりしたラーメンとあっさりしたラーメン、それぞれのスープにマッチする『ラーメンが一番美味しくなる麺』というバランスがとれる麺があります。

例えば味噌ラーメンは黄色みの強い太めの麺というイメージを持っている方が多いのではないでしょうか?
では醤油ラーメンの場合は?というと、お店によって全く違うという印象があります。
醤油ラーメンというのは年配の方から子供まで幅広い方が食べるオーソドックスなラーメンですよね。なので、出店している場所によって麺の選び方が変わってきます。
家族連れなど子供も多く来店するお店は「そんなに麺にこだわる必要ないかな」という店主さんもいて、幅広く食べてもらいやすい麺を選んだりします。
そういう場合は加水率が高く、22番(1.36mm)〜18番(1.66mm)あたりの麺を使っていることが多くなっています。
逆に都内などで麺までこだわったお店をやっている場合は、24番(1.25mm)〜20番(1.50mm)あたりの細めでしっかりとした歯ごたえのある麺を使う傾向にあります。

ストレート麺と縮れ麺どっちがスープに絡む?

「縮れ麺」と茹でると麺がまっすぐになる「ストレート麺」があり、「縮れ麺はスープに絡み易い」という意見を多く聞きます。そこで、本当に縮れ麺はスープに絡み易いのか?

生の縮れ麺とストレート麺をそれぞれ茹で、およそ一口分、30グラムをとりわけ、同じ醤油ラーメンのスープに5秒間だけ浸し、それぞれ、どれだけスープが麺に絡んだか、その重さを量ります。重くなった方が、「スープがよくからむ麺」ということですが・・・結果、縮れ麺にスープが4.9グラム絡んだのに対し、ストレート麺に絡んだスープの量は7.2グラム!なんとイメージとは違い、縮れ麺よりもストレート麺の方がスープより絡むという結果になりました。その後、10回同じ実験をしてみましたが、その平均は、 縮れ麺に絡んだスープの量が5.47グラムなのに対し、ストレート麺は6.73グラム。意外にもストレート麺の方が、スープが絡みやすかったのです。

実際に、ハイスピードカメラで「縮れ麺」と「ストレート麺」のスープの絡み方を比較すると、ストレート麺は、麺がひとつの束になっています。さらに、麺と麺の隙間が、ストレート麺の方ほとんど無いのに対し、縮れ麺は縮れの分、多くの隙間ができています。これが、スープの絡みと関係あるのでしょうか?専門家に聞いてみると、「ストレート麺にスープが多く絡んだのは、毛管力によるものだと考えられる。毛管力とは、物体の細い隙間を液体が入り込んでいく現象の事。ストレート麺の場合、麺と麺の幅が狭くその間にスープが入り込み多く絡みつく。一方で縮れ麺の場合、麺と麺の間が離れていて毛管力が働く場所が少ない為に(麺に絡む)スープの量が多くなかった」という。

さらに、麺の太さによってスープの絡み具合は変わるのか実験!今度は、太さの違う同じストレート麺を用意し、同じ方法でスープの絡む量を計測してみると・・・ストレートの”太麺”はわずか1.3グラムなのに対し、ストレートの”細麺”は8.1グラム。結果、10回の平均値はストレートの太麺が2.01グラムなのに対し、ストレートの細麺は7.82グラム。太い麺よりも細い麺の方が、4倍近くもスープがよく絡んだんです。

同じ太さの場合、”縮れ麺”よりも”ストレート麺”の方が、スープが絡み易く、麺は細ければ細いほどスープがよく絡むのだ!

ラーメンの麺の太さにあわせた製麺機の選び方・切刃番手の種類について

醤油ラーメンの特徴

例えば味噌ラーメンは黄色みの強い太めの麺というイメージを持っている方が多いのではないでしょうか?
では醤油ラーメンの場合は?というと、お店によって全く違うという印象があります。
醤油ラーメンというのは年配の方から子供まで幅広い方が食べるオーソドックスなラーメンですよね。なので、出店している場所によって麺の選び方が変わってくるんです。
家族連れなど子供も多く来店するお店は「そんなに麺にこだわる必要ないかな」という店主さんもいて、幅広く食べてもらいやすい麺を選んだりします。
そういう場合は加水率が高く、22番(1.36mm)〜18番(1.66mm)あたりの麺を使っていることが多くなっています。
逆に都内などで麺までこだわったお店をやっている場合は、24番(1.25mm)〜20番(1.50mm)あたりの細めでしっかりとした歯ごたえのある麺を使う傾向にあります。

麺の形状とバリエーション

醤油ラーメンで使われている麺の形状は、これまたお店のスタンスによって変わってきます。
一例としては、色々な種類のラーメンを1種類のラーメンでやっているお店では縮れ麺を選ぶ傾向が強いと思います。醤油、塩、味噌、とんこつ…など数種類のスープのラーメンを出しているお店で、オールマイティーにスープと合わせるためですね。
醤油ラーメンの中で麺にもこだわっているラーメン屋さんの場合は、今はストレート麺が主流になっています。
加水率については醤油ラーメンには加水率が低めのものが合うことが多いかなという感じです。
醤油ラーメンは醤油の香りがしっかりとしているので、小麦の香りがしっかりしている麺もマッチします!

一概には言えないのですが、最近は盛り付けの際に麺をたたむように整えて麺線を綺麗に見せる店舗が非常に多くなってきています。
長めのストレート麺を使って麺を折りたたんでいることが多いんです。
そうやって見る目の美しさにこだわったラーメンを見て、日本人も外国人も思わず写真を撮りたくなるようなトッピングをしているラーメン屋さんが多くなっています。

作りたいラーメンによって麺を変えるべし!

最近確立されてきた『東京ラーメン』というジャンルの醤油ラーメンがありますが、こちらのラーメンは簡単に言うと澄み切った清湯スープに油が多めのラーメンです。有名なお店も増えているので食べたことのある方も多いのではないかと思います。
このラーメンは見た目にも油が多いのがわかるスープですが、食べてみると油っぽさを感じないのが特徴です。濃い味のスープによって油を抑えているので、油でドロドロではなくてさっぱりと食べることができます。
この東京ラーメンには加水率が低いストレート麺を使うお店が多く、もっちり麺ではなくていわゆるバツバツした感じで食べられる麺が好まれています。
ラーメンはスープと返しダレと油の量だけではなくて、それぞれを入れる順番で味わいが全然違ってきます。油を先に入れるのか・最後に入れるのかという1つの違いで味も風味もかなり違って感じるラーメンが出来上がるので、試しに比べてみるとなかなか面白いです!
醤油が強く感じられるスープの場合は麺が負けてしまわないように風味を感じられる粉を使った麺もオススメですし、全粒粉の細麺も人気が上がってきている麺の1つ。なので、小麦の香りが豊かな麺に興味がある場合はぜひサンプルから試してみてください。
麺とスープを合わせてみたらなんかしっくりこない…ということも少なくないので、組み合わせがバチッとハマるものを選ぶのが何よりもオススメです!

製麺機を使用しての自家製麺と仕入れ面のコスト比較もぜひご確認ください!

塩ラーメンのかえしは、喉越しの良い麺がオススメ!

かえしを昆布だしで伸ばしたようなものが多いです。塩の返しダレは基本が醤油で、そこに出汁を追加して食塩で味を整えたというイメージ。
醤油を出汁で伸ばしているので醤油の香りは薄まるので、あまり小麦の香りが強い麺を使うとスープが負けてしまいがちです。塩ラーメンのスープと小麦が強い麺は合わない傾向にあります。

塩ラーメンには加水高めモッチリ麺がオススメ!

塩ラーメンは基本的にあっさりしたスープ!ということで、麺の自己主張が強すぎるとスープが負けてしまいます。
小麦粉など原料にこだわって粉の風味などにこだわるよりも、加水率の高いもっちり&喉越しが良い麺が塩ラーメンには合っている印象があります。
加水率が低い麺は小麦の香りが立ちやすいというのが1つの特徴なので、優しい味のラーメンには加水率高めのもっちりした麺が好相性です。

味噌ラーメンは地域によって特徴がある!

味噌ラーメンは北海道が主体で、そこから派生して様々な種類の味噌ラーメンが
生まれています。
多くの人がイメージする『味噌ラーメンの麺』というと黄色っぽい色の縮れ麺というのが多いかと思いますが、今は地域によって使われる麺や好まれる麺が違ってきています。
黄色味が弱く白っぽい麺だとか、ゴワゴワ感が強い麺ではなくて滑らかな麺を使ったりとバリエーションが増えました。
地域によって好かれる麺は違うとご紹介したこともありますが、味噌ラーメンの麺に関してもかなり地域性があるなという印象です。

スープに負けない麺がオススメ!

味噌ラーメンといえばこってりでどろっとした濃いめのラーメンが主流なので、麺が細いとどうしてもスープに負けてしまいます。加水率が高いと麺の滑らかさが強くなるので、味噌ラーメンの場合は加水率が高すぎるとスープと麺が絡まらなかったりもする事が多くなります。
お店の人にも一般のお客様にもわかりやすくて印象に残る「味噌ラーメンの麺だな」というイメージを持ってもらえるのは加水率の低い中加水くらいのゴワゴワ感のある黄色い麺になります。
味噌ラーメン=黄色い縮れ麺というイメージが今もあるので、弊社の製麺所でも「味噌ラーメンに使いたい」という場合には黄色い縮れ麺のご提案をする場合は多いです。
あとはそれと一緒に加水を高くしたような麺など、お店のイメージや地域の特性に合うような麺を提案するようにしています。
なので『どんな麺を使えばいいのかな』『味噌のスープにこだわりの麺を使いたい!』という方、どんな内容でもお応えします!
一緒に考えながらご提案させていただきますので、まずはお問い合わせくださいませ。

スープによって合う麺の加水率は違うのか?

低加水の麺の方が小麦の香りが立ちやすい、多加水麺の方がモチモチした食感になる、スープの絡み方が変わる、スープとのバランスが大事…とご紹介してきましたが、オーナーさんのラーメン作りや来店されるお客様によって麺の加水率に対しての考え方や選び方が違うかなと思います。
元気なお店をやっているオーナーさんにゴワっとして腹持ちがいい麺がいい!という方がいらっしゃったり、学生がラーメン1杯でお腹いっぱいになれるように!というお店はしっかりめでゴワゴワした食感のある麺をよく選ばれます。
逆に来店されるお客様はご年配の方が多い!という場合は、どの年代の人でも食べやすいラーメンを提供しようと考えるオーナーさんもいますね。そういう場合は歯ごたえが強いゴワゴワ系の麺だと食べ疲れしてしまうので、柔らかくてつるんと食べられるような麺を選んでいる方も多いです。
なので、やはりお店のある地域やお客様層が麺選びのポイントになっている所もあると感じます。

豚骨ラーメンは細麺が中心!

とんこつラーメンは九州発祥のラーメンで、素早く茹で上がる細麺が定番のイメージですよね!九州のとんこつラーメンにはやはり博多麺が選ばれるのが定番です。
博多麺は30〜40秒くらいであげるような特有の細麺で、回転率が良い麺。替え玉文化も有名だと思います。
ただ、とんこつラーメンでもドロっとしたスープのラーメンの場合は、博多麺のような細麺だと逆に麺がスープに負けてしまいます。なので、そういったスープの場合は加水率の低い中太麺の縮れ麺やストレート麺を使ってスープのパンチに負けないような麺を合わせているお店もあります。
やはりスープと麺のバランスは大事なので、お店でのラーメン作りでもスープに合わせる麺の選び方に違いが生まれていると思います。

博多麺はなぜ一玉の量が少ないの?

先ほども登場した『替え玉文化』というのが博多ラーメンにはありますが、博多麺を使うとラーメンが出てくるまでのスピードと回転率がかなり早くなります。
そもそも九州のラーメンがなぜ早く出てくるのかというと、「市場で働いていた人が帰り道にパパッと食べて帰れるように」という想いから早く食べられるようにという考え方が元になっています。そこで始まったシステムから替え玉文化が誕生しました。
店に入ってすぐに食べて帰れる!というオペレーションを作ったのは九州の方なのだと思います。
九州の方では加水を極力低くした麺を使って堅めでお湯からあげています。の量が多いと茹で時間が長くなりますし、最終的に柔らかくなりがちです。それがお客様の好みに合わないということもあって、一玉の麺量が少ない方がベターということで他の麺よりも麺量は少なくなっています。
スピーディーでいつでも美味しい状態のラーメンを提供できるように!というのが博多麺の考え方の根本にあるのではないでしょうか。

ご相談はこちら

ラーメン店向けの業務用製麺機一覧はこちら

ラーメン店向け製麺機を見る

関連記事

TOP